- カンボジアって? -
どこか懐かしさを感じる
先進国である日本人の旅行客が途上国カンボジアに訪れた際に、古き良き日本を思い出し、タイムスリップしたかの様にホッとする瞬間があると言います。これは未だアジア最貧困国と呼ばれる仏教国カンボジアの生活スタイルが、今から十数年前の日本に少し似ているのかもしれません。
命も知識も奪われた
カンボジアでは第二次世界大戦後にシハヌーク国王の下でフランスから独立したが、1970年、ベトナム戦争に巻き込まれる形でアメリカの支援するロンノル政権によってシハヌークが追放されると内戦状態となった。ポル・ポトらに代表される共産勢力は軍事独裁とアメリカ帝国主義への服従を拒否して蜂起し、1975年から1979年まで権力を独占した。
ポル・ポト政権は1976年、選挙で信任を受けた形をとり、全面的な共産化政策を展開した。その政策は、農業主体の極端な共同社会を建設し、通貨を廃止するなどの極端な原始共産制の実現を強行しようとするもので、反対派に対する弾圧など強圧的支配をとり続け、多数の犠牲者が出た。ポル・ポト政権によって殺害されたのは主として都市出身の知識人であったが、1975年から78年までの間の犠牲者は約170万と言われている。